はじめまして。
星野菜穂樹と申します。
東京で暮らす元会社員です。今日という日は、私にとって小さな記念日です。なぜなら、苦しい過去を受け入れることを決めた証として、このブログを公開したからです。まさに今、私は新たな人生の一歩を踏み出しました。
大学卒業後、約20年間、化学業界で働いてきました。複数の企業を経験し、いずれの会社でも事業開発やマーケティングを担当しました。
多くの人と同じように、目標数値や社内調整に追われ、忙しくて厳しい毎日でした。それでも、そうした日々の中で、消費者向け事業と法人向け事業の両方に携わったことは、一人の社会人として視野を広げる貴重な経験になりました。
何より、日本の強みである化学産業で働くことに、ささやかな誇りを感じていました。
人生の壁に直面 — 心療内科受診、抑うつ状態、そして休職へ
ところが数年前、私は人生の壁に直面しました。仕事や人間関係のストレスに耐えきれなくなったのです。その結果、感情の浮き沈みをコントロールできなくなりました。
例えば、同僚の些細な一言で何時間も落ち込み、胸が締め付けられるような苦しさに襲われました。そのたびに、子どもの頃からの苦い記憶が次々とよみがえり、何も手につかなくなったのです。
一方で、私の意に反する場面に遭遇すると、腹の底から反発心が湧き上がり、他者への言動が攻撃的になりました。悔しさのあまり、同僚の前で泣くことすらあったのです。恥ずかしいと感じながらも、あふれる感情を抑えることができませんでした。
いずれの場合も、気持ちが落ち着いて平常心を取り戻すまで少なくとも数時間はかかりました。感情の波が穏やかになるのを、ただ待つことしかできないのです。
そのため、他者とのコミュニケーションに及び腰になりました。心が激しく揺さぶられるのが怖かったからです。同僚の一人はそんな私を「人間嫌いみたい」と表現しました。人との関わりに消極的な私はそう見えたのでしょう。
このように、傍から見ても様子がおかしかった私は、最終的に配偶者に促されて心療内科を受診。抑うつ状態と診断され、休職したのです。
しかし当時の私は、心のいちばん奥に抱えている問題が仕事以外のものであることを、まだ認識していませんでした。
休職から退職へ ― キャリアに幕が降りた時
休職当初は、少し休んで職場に戻るつもりでいました。なぜなら、担当業務に情熱を持っていたからです。心理的に限界を感じながらも、退職するという選択肢はまだ頭になかったのです。
しかし、短期間仕事から離れただけでは、胸の中に重りを抱えるような気持ちは解消されませんでした。心療内科での治療を通じて後になって分かったことですが、心の苦しさの根本的な原因は、仕事ではなく家族の問題だったからです。
このことに気づいた瞬間は胸をつかれるような衝撃でした。「こんな身近なことに、どうしてこれまで気づかなかったのだろう」と思わずにはいられませんでした。
思い返せば、私は物心ついた頃から家庭環境に起因する苦しさを抱えていました。その気持ちに蓋をするように、なんとか日々を過ごしてきたのです。けれど、人生の壁にぶつかったこの時、その苦しさを抑え込むことはもはやできなくなっていたのでしょう。
結局、苦しさの原因を整理できないまま、休職してから数ヶ月後、約10年勤めた会社を正式に退職しました。
辞める際、私は自分の本当の気持ちがわからなくて混乱しました。「辞めてはいけない。これまで積み上げてきたキャリアを捨ててはいけない」と自身に言い聞かせながらも、心の奥では「もうこれ以上は頑張れない」と本音を認めていたのです。
退職してからも葛藤は続きました。大切な仕事を自ら手放した自責の念と、まるで戦いから解放されたような安堵の気持ち。この二つが心の中でせめぎ合っていました。
それでも、今振り返ってみても、退職したことについて後悔の気持ちはありません。遅かれ早かれ、「心の苦しさの根本的な原因」に真正面から向き合う必要性が生じたはずだと思うからです。「人生の課題」から目を背け続けることはできなかっただろうと思うのです。
劣等感と強すぎる責任感が生んだ心の葛藤
幼い頃から、私は心の中に相反する二つの感情を抱えていました。
一つは、劣等感や不安感のような自身に対する否定的感情。もう一つは、他者に対する責任感や正義感など強すぎる使命感のようなものです。
大人になった今でも、これらの感情は毎日のように心の中に現れます。本当はもっと軽やかな気持ちで生きたいのに、自身を縛るようなこれらの感情がそうすることを阻むのです。
また、心の中に漠然とした苛立ちを感じながらも、それが誰に向けられたものなのか自分でもわかりません。反対に、私自身を責め続ける気持ちも消えません。
私は長い間、こうした複雑な気持ちを心の奥底に閉じ込めてきました。そうしなければ、毎日の暮らしに対処できなかったからです。
心療内科とカウンセリング — 心を打ち明ける怖さと向き合う
休職してから数年間、私は精神科医やカウンセラーに心の内をできる限り話してきました。
心の中を他者にさらけ出すことには、多くの人が少なからず躊躇を覚えるのではないでしょうか。私もそうでした。特に、封印してきた気持ちを言葉にすることには、後戻りできない不安を感じました。
しかし、勇気を出して気持ちを一つひとつ打ち明けると、自身の感情を少し距離を置いて眺められるようになりました。
仕事のことに加えて、子どもの頃からの出来事や心情を包み隠さず話しました。そして、精神科医やカウンセラーからフィードバックを受けながら、自身が抱える生きづらさについて多角的に考えたのです。
時間をかけて自問自答を繰り返した結果、「心の苦しさの根本的な原因」、つまり家族の問題をようやく自覚したのです。原因をはっきり認識したことが、人生を生き直そうと決意するきっかけになりました。
